また終わるために

いっしょにすごしたときめき

【小説】愛を探し、会いに迷い、アイを知り ③ ~伝聞と嘘と、本当の話~

夢の途中、マフィは目をさました。自室でうたた寝をして、夢を最後まで見送ったことがない。いつでも途中で途切れ、ああまだ私は死んでいなかった、と取り残された気持ちになるのである。友人が、何か言っていた気がした。しかし、もう幻である。すべてはも…

【小説】愛を探し、会いに迷い、アイを知り ② ~伝聞と嘘と、本当の話~

まきのまきなは、2度結婚し、そして、その両方をうしなったのだった。つまり、離婚を2度経験している。しかし、どちらの相手も海外のひとだったので、戸籍はきれいなままである。一度目は10年間一緒に連れ添ったひとがいた。韓国の男性だ。まきのはこの経…

【小説】愛を探し、会いに迷い、アイを知り ① ~伝聞と嘘と、本当の話~

まきのまきなは正直、愛をまっすぐに信じ、表現するマフィがうらやましかった。 私は嫉妬を知らないといいつつ、うらやましいという感情を知っている、そして私憤を義憤にするという作業をもしかしたら無意識に組み立ててしてしまっているのではないだろうか…

秋の風は、忘れかけた人を運んでくるのか

ふいに忘れかけていた人を想いだす・・・・・・秋の風は夕暮れと一緒に、その人を運んできて、心の隙間を吹きぬけていく・・・・・・秋の風は・・・・・・。 とてもさびしい。夕暮れのグラデーション。あれを瞼に塗れば、涙は乾くのか。 とてもわびしい。女性はそんな言葉を言…

【和訳】eyes on me

【まきのまきな訳=解釈6:訳4】 私が私の歌を 歌うときはいつでも ステージの上で、ひとりきり 聞き届けられるよう願った 言葉たちを口にするときはいつでも あなたは私に頬笑んでくれた それは本当に現実だったのか、 ただの私の夢だったのか ほんのちいさ…

私はここで、

私はここで、独りの夜を埋める喪の仕事をするだろう。 私

やさしくされているという証拠をどこまでも追求する日

イフェクサーという薬が処方されて、1か月弱服薬したけども、落ち込みすぎて、ベランダは飛び込みの引き金に、電車も飛び込みの引き金に、大通りを走る車も、同じ。自殺チャンスの目につく日が続いて苦しくてたまらなかった。そして、憂鬱は大きな雲でブレイ…

さくっと、愛を

さくっと終わらせましょう、と言われてなにいってんだよ、と怒りたくなった。 というか怒ってゐる。私と彼氏の恋についての助言(のつもりのなにか)だったから。 むしろ聞いてみたかった、長年でも短年でも、恋や愛を”さくっと”終わらせるひとの人格を疑わな…

友情の謂い

たまにひとと疎遠になると、さよならといって自宅に戻る途中に不安になったりもするし、もしかしたらそれが永遠のさよならになったりもするだろう。じんせいはなにがおこるのかわからない。なにがおこっても、おかしくない。なぜなら人生という所与じたいが…

【小説】ヴィーのキス ~伝聞と嘘と、本当の話~

ヴィーが言った。俺はマフィが好きだけど、まだ曖昧な感情のままな気がする。愛に関して証明できるまで、なにもしたくないし、どこにも行きたくないんだ。だから、元カノのそばにいたままでいる、と。 学者肌のヴィーは、愛についてグラデーションがあると思…

【小説】トモエの心臓2 ~伝聞と嘘と、本当の話~

マフィはくせ毛で、色も白く、少し西洋の血が入っているらしい。私はそれをマフィから今聞いて、浴衣姿の彼女がなんだかレアな玩具の人形のような心地がした。 ここの料理、美味しいね。私、韓国料理って1番好きだな、とマフィが言った。唇をすぼめて、やや…

【小説】トモエの心臓 ~伝聞と嘘と、本当の話~

トモエはバイ・セクシャルだ。女性という生物学的定義があり、戸籍の上でも女、とされているものの、恋愛パートナーには女性も含まれるし、もちろん男性も含まれる。トモエにとっては、相手の性別よりも、自分がその相手にどのくらい憧れと焦燥を抱くかとい…

【小説】T周辺 ~嘘と伝聞~

マフィは言った。私はなんでも決めつけるの。そうして心の平安を得るの、と。学者肌のヴィーは、「それは株式用語で予断の罠というのだよ」という見当違いの返事をした。マフィは、私と目を合わせてやれやれ、と肩をすくめた。 私たちはいわゆる機能不全家庭で…

夏の忘れ形見

冷蔵庫の中にある、馬鹿みたいにストックしておいた玉ねぎについて考えると本当にさびしい気持ちになる。 私はひとりきりで過ごしていて、楽しみと言えば言葉の羅列と生活用品の買い物、そして週末の友人と一緒に行く鳥取。結構あるじゃねえか。 秋は、夏の…

where im calling from ~帰りたい、カエリタイ~

絶望が深まるとblogの更新も進む。そう気づいたことがあった。絶望は特に悪いものとは思わない。期待や希望、これは少し気をつけないといけなくて、特に期待、貴様だ。 期待の裏には失望しかないですよねえ。処方からイフェクサーを除いてもらって、元に戻し…

なんてこった、少しばかり良心的ではないか!

以前も述べたが、少しばかり良心的であることや類型的一般性というのは、ある意味でとても狂気的なのである。 「フツーってなんだろう」という中学生みたいな問いをためしに出してみよう。フツーについて考えることこそ、最も狂気なんだから。 私は日本の類型…

愛の告白 ~テュケー~

何でもかでもボーイ・ミーツ・ガール的な恋愛文法に還元しなくていいんだなと思うと、すこし生き方の幅がひろがる気もするが、それはある意味ではとてもさびしいことなのではないかと考えてしまう……私は、ときメモ脳だから。 だからって、しようと思ってする…

人が恐ろしい

私は来るものを拒んで去るものの背中を押すタイプなんだよ。わかってるんだけど、もう人が信じられない抜き差しならぬ事態になってしまって、そうすることが多い。 誘われても3回くらい誘われてやっと行こう、と決めるからほんとじれったいと思う。 人が恐ろ…

変身

薬が変わって不安が強く出るようになった。はっきり言って、レキソタン6mgごときの頓服でどうにもならないほど私の中では不安が吹き荒れているのである。 こうなると、電車の静かな秩序を無視して叫びたくなるし、私は私のままでは居られないなにか別のおぞ…

読み込みすぎてしまう、生(き)の声を

たぶん読み込みすぎてしまう私自身のせいだろうけど、Twitterとかblogを読むと生(き)の声だからか、後から精神的にかなりぐらぐらするんですよね。それですごくつらくなるんですよ。 スペースとかで話すとよりつらさはひどいものになりますね。やっぱり私が…

立ち止まることは才能

人生では立ち止まる瞬間/時期なんかがあると思うのだけども、それは発展史観からすればマイナスイメージが強いかもしれないが、そうではなくて、むしろ「立ち止まることは才能」だと思うんですよね。天から呼び止められてるわけですから。 それは、抗いがた…

やさしさ

優しさってたぶん相手と距離をとることに用いられるとものすごく政治的(=人付き合いの損得勘定)に有為なんですよね。 だから「優しさは優れている、という漢字を書くね」と本で読んだけどさ、政治的に優れているんですよね。相手の立場に立った言説がなされる…

好きを隙のまま、梳(す)いていく

人からさよならされた時の呪いというものがあるとすると、それはその後も尾を引いてつい、相手を追いかけたい衝動に駆られることと、なおその後も相手への執着や愛情がくすぶってしまうことなのでないかと思う。なぜなら、その人は世界に1人しかいないオリジ…

自己肯定感ってなんだよバカヤロこのやろ

自己ってのは人生の所与だから肯定も否定も無いだろと思っているので、自己肯定感という言葉に違和感持っているわけだが、ただ一つ気づいたのは、たぶん、いわゆる自己肯定感が高い人というのは何がなんでも自分につき回ってその都度肯定するとかそういう面…

ありえないほど近い

ひととひととの距離って、近づいて縮むともう距離とれなくなるじゃないですか。そこをあんまり意識してるか気をつけてないかの人々がようするに私にとって小学生と老人なんですね。 両者ともなんかすごい距離感近いじゃないですか。苦手なんですよ。なんなの…

人付き合いのリセマラ ~諸行無常~

漱石の『三四郎』は、ストレイシープ、ストレイシープ・・・・・・とつぶやいて幕を閉じる。 どこへ登場しても、私はその場にとどまることなく、人付き合いはリセマラだという意味だと思うが、要するに誰もが諸行無常という名の景色変化に惑わされる迷子なのだとい…

知らないところでの悲劇の予感

1:00amに目がさめたから、歯を磨いて冷たい水を飲んだ。夢は憶えていない。 遠くでサイレンの音がしている……私の知らないところでの悲劇の予感。1人でいる部屋は、夜が染み込みやすいのか、とても静で私が浮き彫りになる。 父親に会いに行くのがよいだろうと…

憂鬱すぎて死にそう

習い事の宿題を片付けるのと読書のために、カフェまで出掛けたものの、憂鬱で苦しくてつらくなったので、おざなりにして帰宅した。 父親は、癌(ステージ1)になったらしい。「女の人から全部奪って、それから幸せになった男の人は少ないよね、と思ったよ」と、…

知識の膨張 ~知悉しえない本について~

本屋や図書館に行ってよく考えるのだけれども、これだけの本が世の中にはあって、私はしかも読書しては感動するものの、本を知悉することはあり得ないのだろうなという予感に戦慄するのである。たしかに手に取った本を読んで、それで少しは手元に残るものも…

読書と昼寝

あんまりタイトにスケジュール組めば、私が生かされるどころか、読書と昼寝の時間が無くなって、だめになる。 私はその事に気付けずに、色んなことに手を出して、例えば、図書ボランティア、例えば、演劇、と欲張りすぎた。 どんな風に過ごそうとも、私には…