また終わるために

いっしょにすごしたときめき

2022-02-13から1日間の記事一覧

願いのせた嵐

私の人生が嵐だったのか、私そのものが嵐だったのか……目障りな夢のように、鋭く苦い過去を思い出して、わかってる、とこぶしを振り下ろす、ばん、と机が鳴る。 それらの忘れたかった思い出すら、甘やかな喪や痛みになるとわかったから、私はもう忘れたくない…

喪が欲しい

喪の痛み。傷口を自ら抉っていく。 痛みは固有のものだから、痛みがあるうちは、あの人がそこからたち現れる気がする。 私は書いている/書いていく。そうして別れ際のあの人の背中の輪郭をなぞる。出来れば流したい涙は、血に変えていく。 書くとは、間断無…

忘れられない、忘れられない、忘れられない人

忘れられないし、忘れたくない人。そう思った瞬間、またひとつ忘れていく、あの人のことを。 「忘れられない、忘れたくない」という気持ちが記憶の反証になるんだ、つまり、そう思った瞬間、私たちはまたひとつ過去/記憶を手放しているということになる。 私は…