恋しさのディスクール
成就しなかった片恋相手は、いつまでたっても恋しいなあ。そういう恋しい人が、もういっぱいいて、溢れているけれども、また増やしましょう、もうひとつ、もうひとつ・・・・・・、と年々増えていく。もしかしたら、生きることは年を取ることを着こなしていくこと…
秋、日の暮れ方に思った。 どうしてかなわなかった恋の相手はいつまでも恋しく思えるのか。 ある歌を聴く。よくあるポップソングだ。雲のシグナルのように刻むリズム……あの夕焼けの向こうにあなたがいる、そんなように思える。
私はあなたを好きだけど、あなたが私の恋慕に気づいたとき、正気が保てないであろう関係の破壊が怖い。私はあなたに近づく。喜びを感じる。私はあなたから遠のく。あなたはいぶかしげに私を振り向き、私は非常に答えをなくしてしまった子供のように途方にく…
男女はそれぞれ別の存在で、互いが互いの異性に対しあこがれを抱くという事自体がまず矛盾をはらんでいるんですよ。 あこがれはもっとも理解から遠い感情であるにかかわらず、もともと遠い存在である対局の異性にあこがれを抱く、ということは、より遠くに相…
永遠と一日、のいいところは、永遠、ときりなく言いつつも、一日のうちでのものだというリミットのあるところかもしれない。 だけど、永遠といちにちとは、夕焼けに照った川がえいえんにはちみつのようにとろりと時間として流れていくことのようだろうなと思…
諦められるわけないよ、好きな人は好きな人のままなんだから。 慕情は、諦められるものならはじめから発生しない。 気持ちの乱れ、隠しても隠しきれない。もうその曲線は、あなたのものなんです。 綺麗なカーブじゃ、えがけないものさ。
あの人から恋人として私が選ばれなかったのは、なんだったんだろう、と不思議~な気持ちになることがあって、一抹のさびしさもやってくる。 私はあの人から本心で・本気で、嫌われていたのだろうか・・・・・・、あるいは、そう装いつつあの人は私を優先してくれた…
何度も姿を変えて 私の前に 舞い降りたあなたを今日は 探してる 【まきの周作】 例えば、花盛りの晴れたある春の公園で、例えば、雨の日の静かな匂いのする午後の図書館で、例えば、一枚岩のような真っ青な快晴の空に、例えば、瞬きするような木漏れ日のもと…
たちまちにわたしは、わたしの欲望を、無力になったこの対象からわたしの欲望そのものへと向けてしまうだろう。わたしが欲しているのはわたしの欲望であり、恋愛対象というのはそのだしになってきたにすぎないのだった。 いつの日かあの人をあきらめるときが…
本当は、戻って来て欲しいんだ、そんな気がする。 例えば、夜遅く一人でいる時。 例えば、疲れて家に帰る途中のバスの中。 何が望みなのか、もはやもうわからないのだけど、私はあの人の声や言葉を望んでるようなんだ、どうやら。ただし、確証はない。 私の…
あの人は結局私に何も言わずに不自然なほど急に居なくなったわけだけど、今は他の子と仲良くなろうとしてて、私に無くてその子にあるものはなんなのかな、とか、逆に私にあってその子に無いものはなんなのかな、などと少しの未練とともに考えては傷ついてい…
もう何もかも嫌になった ああもう全部止めだ ここにしがみ付いてる価値はない そもそも前から気に食わなかった イライラすんのは割にあわない 辛酸舐める日々の逆境 夢が重荷になってりゃ世話ねぇ amazarashi『逃避行』 【被告人、まきのまきな】 ああ、たぶ…
あの人の不在から自由になる自由を選びとったのだろう私はもう元気です、色々あるけど。 ただ、あの人の顔が浮かぶたび、胸の奥がひりひり痛くて、心のやけどはまだ残っているのだなと思う、そしてそれはもしかしたらーーもしかしたら、あの人の声なのかとい…
最低、最低、とその日が続いて、それでも輝くなら、それはもう私にとって宝石だ。 あの人はいつも自分自身を屑だと言って切り捨てようとするけども、それでも影はついてくる、自分自身に。だから、いやいやでも、しぶしぶでも、自分と付き合っていくけれど、…
私の理解によると、ラカンのいうテュケーとは、”出会い損ないとしての出会い”なのであるが、そのことによる傷/痛苦をいやすには、また出会いなおす(しかしそれも出会い損ないとしての出会いになるのだが)のがいいのだと思う。 もう一度出会ったところで、…
インターネットの不調でだいぶ書く間隔があいてしまったから、何を話したらいいか、自分自身と自分とに距離ができてしまった気分だ。 けれど、これだけはいえる。私がここに書き起こしている言葉は最近、あの人のことが多いしすべてかもしれないが、 ①あの人…
叶うばかりが恋じゃない、わかってる。冷たく残っている、カップの底のコーヒーの跡みたいに、洗い流しにくくて、苦くて甘くて冷たい。 あの人は私が好きかどうかわからないらしかった。好き、と恋の告白をしといて、そりゃないよ、と言いたいけれども、リア…
あの人を喪った悲しみに明け暮れていたい。身を委ねていたい。そうでないと、私はさびしいきれいな地獄に幽霊のようにひとりだ。 あの人の痛みにとらわれていたい。それから自分自身が自由になる方法ならいくらでも浮かぶけど、私は……。
あの人が泣くくらいなら、私がいつまでも泣いていたい。あの人の代わりに私が涙を流す。そうすることで、泣き止んだ頃に「そういえば、愛してる」と思うのだろうと感じる、もちろん私があの人をね。 あの人はもう前を向いて、自分の意識がいつも通りに機能し…
どの景色やどの影をみても、猫にも、あの花にも、あの雲にすら、あの人のおもかげがみられて私はおかしい。苦しくてたまらない。 何が悪かったのか。この夜のとばりにさらわれそうな時間にはかならず鬱とともにそういった自問自答がやってきて、この部屋には…
私はイマカレにとても残酷なことをしているなと感じる時がある。いつまでもあの人が運命の人めいて見えるから(会えないがゆえに、切り捨てられたがゆえに)、イマカレとあの人の間で自分の意識が引き裂かれて(どちらが正しいのか)、自分の意識が二分され…
出会い損ないとしての出会いは、テュケーと言われてたりする(私の解釈も入ってるけど)。この出会い損ないとしての出会い=テュケーによって手に入るものは何だろう。例えば不在。例えばオブセッション。例えば悲しみ、対象a、エクリチュールの快楽。私は…
喪に咲く花はリンボでしか咲かない。その美しさ、その香り、その光。花のような傷を持って、やってくるあの人。 何か言っている、わからない、と合図する。夢か、と分かる。静かで激しい孤独がやってくる。鍵のかからない密室に、夜がひたひたになっていく。…
私の好きな/好きだった(過去形にしようとリハビリテーションしてんだよ)あの人は、20代前半にして好きな映画や好きな音楽がきちんと軸をもって出来上がっていて、そういうところとか本当に眩しい。 生い立ちは(はっきり言って)悲惨で、家庭に恵まれない…
忘れられないし、忘れたくない人。そう思った瞬間、またひとつ忘れていく、あの人のことを。 「忘れられない、忘れたくない」という気持ちが記憶の反証になるんだ、つまり、そう思った瞬間、私たちはまたひとつ過去/記憶を手放しているということになる。 私は…
今日ねえ、今から習い事に行くんですけども、どうも月謝を払ってもその分をちゃんと元とって通える自信がなくて気が重いんですよね。 喪=精神の糖って前回発言したものの、糖ばっかりじゃそりゃ気が重くなって当然ですよね。甘いものはなにせ胸やけするから…
中途覚醒して今3:00AM。こんな真夜中にあの人の声や姿が現れたらああもうそれは突然訪れた天使の真夜中なのになとか、またうっとりうっかりする。 真夜中の天使。ピザ持ってきてくれたりするようなのでいいから。けど、私はケーキをあの人にケータリングし…
ねえ、もちろん愛について、私は何も知らない。だけど、何もない何も知らない何も見つけられない状態に放り投げこまれるよりも、無味乾燥の地獄より、そんな清潔な地獄なんて嫌だから、今少なくとも、愛することで傷つきたいのかもしれないと思っている。 あ…
私、本当はもうあの人から傷つけられることすらないのだという現実にとても傷ついているという二重構造のややこしいパラドックスに陥っている。 だれかが「好きになるっていうのは帰ることに似ているんだ」と言ってて、じゃあ私は失恋しているからその帰る場…
あなたがいなくても、明日にあなたをたずねて行く。私は、あなたがいなくても生きていけるほど強いし、あなたがいなくては苦しいほど弱い。 私のここでの言葉の羅列は、すべてあなたへの――いなくなったあのひとへの、ラヴレターなんだと昨夜気づいた。 あの…