誰もがある種の悪夢を抱えて生きているとしても、もう何度も、繰り返したくないとその度祈る。
こんにちは、私の悪夢よ。慣れ親しんだ悪魔よ。私が悪魔だとしても、嫉妬深い天使にかこまれているただの人だとしても、もうどうでもよくて、ただ私は自分が狂っているということだけはわかっている。
コンテンツとしてのナイトメアを考えてみることができるのは、そういう狂気じみた自分自身を自覚できるときだけで、他の瞬間には、ほらもうまた阿鼻叫喚している。私の悪夢は抜け目がないのである。
悪夢よ、どうか私だけのものでなく、二人のものになってくれないか。そうすれば、幸福のかわりの二人として甘受していく覚悟を決めるから。いつか、この悪夢を開陳できたらな、世界に、そっと。