また終わるために

いっしょにすごしたときめき

ふたりでまた行きたいね

いつかまたふたりで行きたいね。窓の外には雪景色がひらけている。眩しく目を射る白銀。列車は鈍行でうちへと向かっている。

乳白色のロマンチックを含んだ空色が本当に、いい。ここから雪が降ってきて、私たちの生活を、日々の汚れを、人生の汗を、きれいに隠してくれる。私たち人間は、雪のように白くいることも、花のように咲いていることだけで生を全うすることも、できないほどいやしい。いやしいにんげんは、働いて、雪にも花にもかなわない。ロマンチック乳白色の空は、それをよく見てゐるから知っている。昔から。

今日は冬の誕生日かも。雪が溶ける前に、また行きたいね、生きたいね。ケーキ食べて、今日は暖かい空気の塊のなか、丸まっていようよ、ふたりでまた雪国へ旅立つことを思いながら。ありがとう、優しさ借りてます。