また終わるために

いっしょにすごしたときめき

対岸のあのひと

いなくなったあの人は、いまだに自分の人生を犠牲者の視点でしか生きていけていないように私には見える。実際に犠牲者だったんだろうし、仕方ないものしか見つけてこなかった/集められなかった、という人生だったんだろうなと思う。これは特徴であって、べつに悪口をいっているのではなく。同じアダルトチャイルドとしてなんとなくそんな気がするから。

それでもあの人は私には眩しい人だった。なんというのだろう、悪意にさらされてきた純真がそのまま丸く残っているようなやさしさで人を扱える人物だったように思える。しかし、これは私の気のせいかもしれない。実際にはもっとあの人からひどい、汚れたようなことも見せつけられたから。

キラキラしていた、あの人は。そのキラキラしているものを私もあの人に返してあげたい。思い出すたびにそう願っている。いつか私も、キラキラ。