また終わるために

いっしょにすごしたときめき

きれいだね、素敵だね、とっても楽しかったね

懐疑=精神の塩、喪=精神の糖。

あの人の性懲りのなさを目の当たりにして、あと、それ以外にも色んな私的理由から、時々怒りが湧いてくるけれど、それは精神に喪が不足しているからであって、私はあの人への「悪意=報いを受けたらいいのにという呪い」で破滅を願っているのではない。

それより、甘やかで芳醇な言葉の養分となる、喪が欲しいんだ……それが私の第一の願い。


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最近手に入れた本の一部。右の分は読了あるいは途中。ベケットの詩集とティーンズラブコミックを一緒にレジに持って行ったが、切実に私は両方了解しつつ望んでいた。しかし……しかし、君、悪役令嬢が主人公のものが主流過ぎないか?亜流のつもりで始めたものがこんなに流行ればもう主流だろう?意表をついたつもりの設定が、もう正統派になれば、それはもうマジョリティだ。

あの人の、帰る場所への希求と、大学進学によって自分の人生にもたらされるであろう「回復」(という幻想)への希求は、凄まじい。私はなんとなく過去に経験した、傷の疼く感覚、疼痛を、それらについておぼえるのだった。

あの人の性懲りのなさは、あの人自身にはときに悪徳なのかもしれないが、それが人生の一段階上に目線を上げてくれることもあるだろうなと私は……思うことにする。

性懲りのなさは悪徳だよ?

けど、まあ、楽しかったよね。