また終わるために

いっしょにすごしたときめき

喪が欲しい

喪の痛み。傷口を自ら抉っていく。

痛みは固有のものだから、痛みがあるうちは、あの人がそこからたち現れる気がする。

私は書いている/書いていく。そうして別れ際のあの人の背中の輪郭をなぞる。出来れば流したい涙は、血に変えていく。

書くとは、間断無き破壊性との共存だ。その傷口から愛しい誰かを見つけられなければ、とても続けられるものではない。

私は、そういう意味で、あの人を忘れたくないし、これまでに出会ってきた――痛みを伴う出会いでも――人々を、忘れたくない。痛みは、私のものだ。そう言えるうちは、誰もがヒーローだ。