また終わるために

いっしょにすごしたときめき

藤本タツキ『ルックバック』~振り返りながらも前を向く~

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憧れは理解から最も遠い感情であることをひしひしと感じた。その一方で、もしかしたら、理解は憧れから最も遠い感情とも言えるのだなという発見もあった。

不登校の級友との出会いではからずも救われたヒロインは、憧れという誤解から天命を承け、二人は寄り添い、分かれては、また同じように違った形で寄り添うーーネタバレになるからあんまり詳しく言わないでおくけども、その時ヒロインは、振り返り(=ルックバック)ながら前を向いてく。人のあゆみの真実がここに描かれてる。

ホピ族の言葉に、『過去に未来がある』という意味の言葉が残っているが、まさしくそれこそ人のあゆむ道なのである。

久々に「また"この人"の描いたものが読みたい」と熱望した漫画に出会った。藤本タツキ。覚えたぞ。