また終わるために

いっしょにすごしたときめき

まあいいや、別にあの人の彼女じゃないし

さいきんは、特にネット上で多いんだけども、男性のダサい一面ばかりにエンカウントしてしまい、とてもまいっているのである。

求めてもいない意味論的説明とその解決策の提示(それによるゆるやかな威嚇)、あと、なんだろ、「俺はあなたの役に立つ人物なんだよ」っていう強すぎる承認欲求がつらすぎて、私にどうしろと言うんだろう?と、悩まされてゐる。

毎週土曜日の早朝に、繁華街の道を掃除するボランティア活動をしているんだけど、そこでも男性のダサい一面にエンカウントしてしまい、それはもうかわいいとかいうとらえ方もできないほど予断を許さない事情とただならぬ出来事であるのは疑いもないのである。

マツダさん(仮名、男性)は、私がミノウエさん(仮名、男性で主夫力高め)の掃除方法や片付けの手際を誉めたら、こう言った。

「まあミノウエさんは箒でふたはきのところをひとはきにするにはどうすればいいかって考えながら掃除したりする人だと思うんですよね」

箒はきながらひとはきとかふたはきとか、カウントするのか!?と私は思わず素っ頓狂な声を出しそうになりながらも、そうかもしれないですよね、と適当にあいづちを打ったら、さらにマツダさんは追い打ちをかけてきて、

「ペットボトルに入っている途中まで飲んで、飲みかけのまま捨ててるごみは、まあ、必要だから買ったけど、いらなくなったから捨てたんですよ」

と、自明な事柄をさも自分だけの知的財産で非常に有益な解説でもあるかのように発言し、私は、

「ああ・・・・・・」

と生返事してその先なにも言えなくてほんたうになんだろこれ、拷問なんだろうか、って考えてたんですよね。けど、どうやら私の生返事と沈黙に耐えかねたのか、マツダさんの方でも、これは拷問なんだろうか、という思考が伝染したらしく、

「わからんけど笑」

と、なぞのフォローをされて、もう私はその場を後にするしかできませんでした。

後から考えてもストレスなんですよ、ほんとうに。私にどうしろって言うんだろう?っていう壁に頭打ち付ける疑問が浮かんでは消え、ほんたうにありがたうございます。

けどね、気づいてしまったんだけど、私はそういう男性たちの彼女じゃないから、べつにふぉろーしなくていいんですよね。だから、こういう局面への処方はこれです。

「まあいいや、別にあの人の彼女じゃないし」

ありがたい話です。