私にとって、かわいい人とは、とびきり好きな人というよりは、なんだか憎めない人のことなのである。
他者はいつも私に脅威的だ。なぜなら、自分自身の行動を逐一気をつけていないと相手の心情やその関係が、ガラリと変わってしまうリスクを含んでいるからだ。たとえ謝罪したとしても、それでよけいに失礼になることだってあるにはあるし、要するに「ごめんで済むなら」という例の金科玉条のとおりなのである。
それでも、許せる関係というのもあるにはあって、だから、憎めない人というのはいつの間にかかわいい人になってゐる。まったく、憎いのに憎めないな!かわいい人!