また終わるために

いっしょにすごしたときめき

知識の膨張 ~知悉しえない本について~

本屋や図書館に行ってよく考えるのだけれども、これだけの本が世の中にはあって、私はしかも読書しては感動するものの、本を知悉することはあり得ないのだろうなという予感に戦慄するのである。たしかに手に取った本を読んで、それで少しは手元に残るものも、あるだろうとは思う。けれど、未知の本は、まだ世の中に私の把握しえないほどあって、それは宇宙のように膨張し続けるのである。知識の膨張、と言っていいかもしれない。

私はそれを、この短い人生のうちでどれだけ手に入れられるだろう?そう考えて、読書行為というものが手に負えない問題であるかのように思えて、とてもつらかった。