また終わるために

いっしょにすごしたときめき

秋の風は、忘れかけた人を運んでくるのか

ふいに忘れかけていた人を想いだす・・・・・・秋の風は夕暮れと一緒に、その人を運んできて、心の隙間を吹きぬけていく・・・・・・秋の風は・・・・・・。

とてもさびしい。夕暮れのグラデーション。あれを瞼に塗れば、涙は乾くのか。

とてもわびしい。女性はそんな言葉を言わないと、古い作家が言っていた。だけど私はつぶやく、わびしい、と。

秋は、わびしい。わびしいとささやいたとてやって来る秋。小さい秋を、少しずつ見つけてしまいながら、人は去っていく、私のもとを。

さびしい。秋よ、どうしてやってくる?