また終わるために

いっしょにすごしたときめき

あの場所で

あの場所から、靴下を贈った思い出がよみがえり、あの場所でその記憶がとじる。

私は元彼をほとんど思い出さないけど(というのも、その愛の綻びが見えていた記憶が強いから努めて憎しみを抱かないように、思い出を汚さないようにしよう、という防衛本能からだが)、叶わなかった白い国の片恋相手についてはよく考える。その人はついに私の前に現存しなかった想像界の人のままだからか、私にはいつまでも恋しい。

その人だけのあの場所で、私だけのこの場所には来なかった人。

その人の言葉をもっと知りたかった、その場所にいつもおやすみを言いたかった。さよならすら意味が無い。そんな場所に。