また終わるために

いっしょにすごしたときめき

そんなに死ぬのが怖いミイラ展の人々

f:id:sayfarewellslowly:20220428164006j:image

ミイラ展は、現代の食べるに困ったことの無い(むしろ「何を食べたらいいかな」という限りない選択肢に困るほど飽食な)人々で、大変賑わっていた。

ミイラ展の古代の人々は、こけしのようなかたちになって、ミイラになり、その後我々の時代に転生出来たのだろうか?だとすれば、幸福ではないものの、すぐには死なない福祉国家に生を受けたのだから、ミイラになってまでの願いは満願ということかもしれない……ただし、人間は無い物ねだりの生き物だから、これはこれでまた生きていたくないと気持ちが傾くのである。

呪術的な理窟をこねくり回してまで腐ったり滅んだりする事を極度に恐れているという印象を受けた。自分自身の死後もなお生きていく/生きている人々へのルサンチマンが、墓の大きさや、ミイラの精緻な宝飾の華美さに現れていると思ったのだった……死後がそんなにも恐ろしいのか?そんなにも神に選ばれて、転生したいのか?しかし、時代や人は流転して行く。自分が死んでも時は止まらないのさ。普段の行いが悪いから、それが、死が、恐ろしくてたまらないんじゃないのか?辛口にもそう思って笑ってしまう。