また終わるために

いっしょにすごしたときめき

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

fruits of serendipity~テクストの織りなす音楽とはなにか~

《私にとって、文章をしたためる行為は、天啓のヒラメキというよりはむしろ、罪の延長に近い。しかも、罪滅ぼしにもならない。その先もまた、罪が伸びている。》 ⬆以前、このように述べたが、罪の延長とはなにかというと、これは楽観的であるものの割と真面…

夢の中でも、電話越しでも、

身体中から愛の不足の訴えが込み上げてきて、いわば、ため息をついて、私は夜くんを少なからず憎らしく思った。 夜くんは何をしているのだろう?大丈夫なんだろうか?なんでこんなに心配なんだろう?心配に託けて私は彼の声が聴きたいだけなんだ。 夢の中で…

【論評】amazarashi『さよならごっこ』~また逢う日まで、また逢えない~

さいきん、amazarashi『さよならごっこ』に沼っていて、めちゃくちゃヘヴィロテしている。 この曲を聴いていると、両親が離婚して母親が家から出て行ったことを思い出して、――はっきりいってその記憶は全くないのに、心がひりつくのである。まるで幻肢痛に近…

雲のシグナル

神経症的様相を呈する夕焼けに照らされて、私は雲のシグナルに慄いていた。 もうひとつ増える、強い繋がりと喪失。楔のような最後のキス。そういう思い出の諸々が、私にまた降り積もるのだろうと思った。 私にとって、文章をしたためる行為は、天啓のヒラメ…

夜と、私の名前

夜くん、私に強すぎる不在をもたらして、なにを証明したいの? 私のもとをいなくなる?もう約束も忘れたって? 夏が終わって、私の名前も消えるのか。

夜と、もうひとつの夜

夜 恋愛主体の心に、彼を苦しめたり和らげたりする闇(情動的、知的、実存的な)の暗喩を惹起する心的状態。 ロラン・バルト『恋愛のディスクール·断章』 静になりたいのか、ざわざわしていることがむしろ相手への恋の証左なのか。それによって、私は何を証明…

私の名前

私は君から呼ばれて初めて生きた心地がする。 私にはほんとの名前なんてなくて、それでいいと今も思っているけれど、君はどう?私は何者であればいいと思う? 私は私。君に呼ばれて、私になる。ただ、私。友人、妹、姉、もしかしたらグレートマザー、そして…

君の名前

君の名前は、私が1人きりであることをおぼえた時に私の内側を支配するものだ。 君の名前は、私が呼びかけるごとに広がって捕まえられなくなるものだ。 君の名前、君の名前。君が私を呼ぶとき、はっと息を飲む。無限の彼方からうばわれた気持ちになる。私の名…

愛に平等は存在するか

誰かに恋している人というのは、常に既に相手を待つ待機状態であり、相手を喪い始めている状態であるから、要はマゾヒスティックであると言える。私は来るか分からない相手を「にも関わらず」待ち、想像界の損なわれる事と知りつつも相手に接近したいと願う…

炎の女神

私には火のような確信があって、それはまるで根拠がどこから湧いたのか謎なんだけど、馬鹿みたいに、あるいは、宗教のように、信じていることがある。「私は書けば、小説家になる」ということ。 遠回りには色気がない。でも、それを選んだのなら、そうしない…