また終わるために

いっしょにすごしたときめき

好きを隙のまま、梳(す)いていく

人からさよならされた時の呪いというものがあるとすると、それはその後も尾を引いてつい、相手を追いかけたい衝動に駆られることと、なおその後も相手への執着や愛情がくすぶってしまうことなのでないかと思う。なぜなら、その人は世界に1人しかいないオリジナルだから、私にとって替えがたいその人は、その人のかたちのままの隙間を私のこころに作ってしまっていなくなるのだから。

その愛のままいなくなったその人の隙間にたびたび立ち返り、私はその人への好きを隙のまま梳(す)いていく。それでいいと思った。その都度、その人をこれまで以上にほんとうに愛することができるようになったのだと感じたから。