また終わるために

いっしょにすごしたときめき

続:今でもあなたは私の光

自分で言うのも気が引ける話だけども、普通に社会人して普通に仕事をこなして帰宅するという私は、うつで休職中の彼にとってあまりに遠い・完全すぎる存在に見えて、次第に彼の居場所が私の隣ではなくなってきたのかもしれないなと、ふと思った。

男の人だし、やはり女性より自分自身が優れていたいと思うだろうから、私が年上だったということもあって、彼にとってだんだん私の隣にもともとあった居場所がなくなったのだろう・・・・・・それはべつに誰のせいでもないし、私がやさしく触れたり扱ったりするほど、そうなっていったのかもしれない・・・・・・(人間はわがままだから)。

それで、自分より弱い、いわばスキのある女性――同じ自傷癖や生きにくさなんかを抱えている――に、いわば彼は今現在、自分の居場所を作っているところだろう。私を、私という存在/あるいは私の隣で見つけた自分のもともとの居場所、を破壊することによって、本当に自分自身の居場所を見つけようと必死なんだろうと思う。

それは、若いから、若気の至り、というほどのことだけども、結婚となると、過失だと気づいたときに一生自分の戸籍が汚れることになるから、そこまでしなくてもいいんじゃないかな、という気はする・・・・・・いくら居場所を求めたいから、と言ってね。もう後に引けなくなったのだろうか、いや、そうじゃないでしょ。まだ間に合うでしょ。けど、彼自身がもう後に引くつもりがないんだろうな。その確認のために自己都合で私に接近してきたんだ。あの夏目漱石の『明暗』の津田のように。(私がたぶん、清子ね。)

彼と一緒に話した、文学のこと、本当に楽しかったなあ。今の婚約者とそういう話をしたりするんだろうか。

まあ、楽しかったよね。