また終わるために

いっしょにすごしたときめき

守りたい

夜くんを私が守るために――そもそも私が守れるのかはっきりしないのに――出来ることはなんだろう、必要なものは揃っているだろうか、とふと考える。

不足のようだなと思う。そもそも彼を守るべくの財力がない。もし私がめちゃくちゃ有名人でお金が沢山ある人物だったら、こんなにこじれていない。

私は無力だなと気づく。遅かったのかもしれない。だけど、だから?、後に引けない。

夜1度だけ知らない番号から電話があった。夜くんではない。なんだろう、待ちわびた季節の春にざわめく風は?全ての世界が私の写し鏡でなにかのメタファーだと思うのは狂っていると思う。のに、どうして春の風は、冬に別れてなおざわめくのか?

二人の季節はまだ始まらない。