また終わるために

いっしょにすごしたときめき

雲のシグナル

神経症的様相を呈する夕焼けに照らされて、私は雲のシグナルに慄いていた。

もうひとつ増える、強い繋がりと喪失。楔のような最後のキス。そういう思い出の諸々が、私にまた降り積もるのだろうと思った。

私にとって、文章をしたためる行為は、天啓のヒラメキというよりはむしろ、罪の延長に近い。しかも、罪滅ぼしにもならない。その先もまた、罪が伸びている。

ひとは重力や引力を無視することは出来ない。罪は、引力なのである。それでいい、と思った。受け入れたのは、夏の、リズム溢れる通り雨に降られてのことだ。

それでいい。