また終わるために

いっしょにすごしたときめき

春の夜、不安の足音

幼いころ、誰もいない寝室でなかなか眠れず、枕に押し当てた片耳の奥から聞こえてくる鼓動の音がこわくてたまらなかったのをおぼえている。私の心臓は、私の不安をよそに、生きろ、生きろ、と生命の行進を続けている。今も、それとよく似た(あるいは同じ)感覚になる・・・・・・不安の足音。

私はこのくらいの時間(AM4:00頃)によく中途覚醒する。冷たいマカロニサラダの残骸をしぶしぶ食べるへんな夢を見た。春の夢、の華やかさはない。

amazarashiというアーティストのCDアルバムを初めて手に取ってみたんだけど、歌詞にある、「挙動不審のイノセント」という言葉がほんとうに気に入って、私はうれしさに心理的な硬直状態にいる。いいものに出会うと、いい作品に巡り合うと、興奮とうれしさに金縛りにあって、その先にいけなくなる。まだ、音楽は聴いていない。

不安の足音、とともに聞こえてきたような気がした隣室の彼の声。だれかと話しているのかと思ったんだけど、寝息だった。

私は、叶わなかった恋の慕情を一生胸に秘めたまま、生命の行進をする。