また終わるために

いっしょにすごしたときめき

春待ちの終わり

春待ちの終わりは、春が来たから終わったわけではなく、春が来ないと理解したがために終わってしまったのだった。

そのかわりに、毎日の待ちぼうけが始まり、私は永遠に来ないだろうその人を待っているのである。

来るかもしれない、来ないかもしれない。そういう不確かさだけ残して去りゆく人ばかりが私の人生だ、そうだ。

ああ、髪を切ってしまいたい。これは馬鹿な気分だ。傷んだ髪を切ってしまいたい、首周りがすかすかとすると、春の風がそこに吹き込む。いい気分だろうな。