また終わるために

いっしょにすごしたときめき

音もなく消える

愛の怖いところは、相手へと続くはずだった扉が静かに消えることで、私は埃のかぶった相手との甘い日々の記憶をダシにして、また愛の再熱を願ってる。

夜くんは消えてしまった。といっても、まだこの地上のどこかには必ずいるという生きながらの離別。こんなにつらい、壊れそうだと思いながらも大事に抱えてきた時間も……鈍色の痛みになった。

忘れたくないこと。けど、私たちはそうつむやくとき、常に既に思い出と記憶の過剰でその思い虚しく、必ず取りこぼす機序に従わずにいられない。忘れたくないのに、忘れずにいられないのである。

夜くんとまた会いたい、会いたい。どんな形でも、忘れられないと思うから。それは願いなんだ、希望なんだ。冷たい北風が、クリスマスへと向かっていく。そこにあなたがいたらいい。