また終わるために

いっしょにすごしたときめき

両手で抱えきれない夢たち

もどかしい。

図書館に行って、本が沢山ある空間に身を預けたら、満足したけど、ただでさえ積ん読が沢山あるのにまた本を借りてしまった……両手で抱えきれない本たちは、同じく両手で抱えきれない夢たちのようだ。どうすればいいんだろう。

本が側にあるだけで満足だ。読まなくても、ある意味では満足なのである。本には夢がある。側にあるだけで、心のおけない友人が(あるいは恋人が)いてくれているような安心感があるし、もしかしたら、人間の実存それではなしえないことも、本にはできるんだ。……図書館に住みたい!

読まなくても満足だ。なんだろう、この安心感。本は腐らないし、うるさくないし、水や餌をやらなくてもいい。しかも私を裏切らない、人間みたいには。私がタッチしたら、必ず何らかを答えてくれる。

私はどちらかというと、人が苦手だ。人付き合いも、人間も、恐ろしいのである。しばしば組織や社会から爪弾きにされてきて、きっとこれからも私はそうなんだろう。だけど、そのたびに、本はそんな私の人生も運命も、呪わず恨まず、むしろ歓迎ムードでむかえてくれる。私のような、異端者には、本が、読書が、絶対的に必要なのである。孤独になると、必ず本を開きたくなる……これは、私だけではないと思うのです。