あの人は結局私に何も言わずに不自然なほど急に居なくなったわけだけど、今は他の子と仲良くなろうとしてて、私に無くてその子にあるものはなんなのかな、とか、逆に私にあってその子に無いものはなんなのかな、などと少しの未練とともに考えては傷ついているのである。
有り体にいえば、上記の点を教えて欲しいし、私は誰かのものであるという前提を何も隠さなかったわけで、そこにあの人からアプローチがあったんだよね。もし私があの人にとって忌むべき人間のものだという理由で居なくなったのだとしても、それは既にわかってたことなのに。なのに、急に居なくなった、何も言わずに。わからないな……。誰か、教えてよ。
わからない、わからない、わからない……。私は宛先不明の手紙のように、それにぶつかっては拒絶され、傷つく。
あの人からの、あのひとこと、たからものにしていたのに。そういう言葉たちが、今は可哀想でたまらないものになって、徒花?
わからない、わからない、わからない、わからない……。