また終わるために

いっしょにすごしたときめき

また終わるために

喪う始まりと分かってるのにひとはそれにもかかわらず、誰かを愛するのをやめない。

誰かを求めることはすなわち喪うことの始まりなのである。なのに。

身体が愛が不足しているといってため息をもらす。こんなことばかりの人生で、他者に溢れている。いや、他者とはたしかに自分に近似する別人だから、もう1人の私との出会いで、だからこそ人は「愛する·求める」、をやめないのだろうか?

くるしい。喪った時の過去からの復讐が苦しい。

あの人は、もうすでに新しい部屋で新しい人と愛をつむぎ出している。そのテクストの織り目には私の入る余地などないのである。なぜなら、もう過去に滲んでいない人が私なのだから。