また終わるために

いっしょにすごしたときめき

愛する心に痛い思いをさせるもの

わたしが驚く――ほとんど心配に(不安に)なる――のは、じつはこれは喪失ではないということだ(わたしの生活は混乱していないのだから、これを喪失のように語ることはできない)。そうではなく、傷なのだ。愛する心に痛い思いをさせるもの。

 

 

  ロラン・バルト

 

 

【まきの副音声】

傷だとしたら、ものがたることがまた傷に還って所在(ところ)を得ることができる。しかしバルト(および私)は、永遠に喪失が欲しいのだ。よって、ところを得るというようなこと=エクリチュールの終焉というのは望んでおらず、ひたすら涙でなく血を流してはその喪失を得ていたいと思っているのだと推測。それだけが愛する人との間の楔だと思うから。