また終わるために

いっしょにすごしたときめき

「なるほど、わからん」のススメ

わからないことをそのままにしておく技術ってすごく大切だなあと思います。

会社とかだと上司なんかに(結構不機嫌な声色とか表情とともに)「わからないことを分からないままにしておくのは間違い」って言われがちだと思いますけど、人生なんて、わからないことの方がこんなちっぽけな存在の人間には多くて当たり前なんだから、それならそれで「なるほど、わからん」のまま、抱えて歩いていくことはすごく勇敢なことだと思います。

私はラカンの『精神分析の四基本概念』を読んでる時とくにつよくそう確信しました。本なんて、「察してくれ」っていう作者の意図でしかないから、それならそれで開いているときはふんふんなるほど、と頷きつつ、最終的には「なるほど、わからん」でいいんですよね。それで疑問や不思議ごと抱え込んじゃって歩いてくんですよ。すると、ある時生きてくる。生きてくる瞬間が、やってくる。そのときに読了した本とその読書をした自分自身とに本当の意味で迫ることが出来るんだと思います。理解は一生できなくても、私はきっと、迫ることなら出来る。

そう願いつつ、なるほど、わからん。