また終わるために

いっしょにすごしたときめき

父親

まず私の人生に現れたもっとも私を見抜かなかった男性登場人物の筆頭が、父親である。

私の人生には、私を見抜いた男性が1人としていない。なんてさびしいことだろうな、と思う。ひとりくらい、居てくれてもいいのに。しかし、恋人関係においてですら、誰ひとりとして男性が私を見抜いたことは無かった。私はだから、なんどその人の前で裸になったとしても、無傷である心地でいる……私は、どれほど乱れたとしても、誰にも見抜かれないし、征服されない。本当にさびしい、とても。もし恋や愛が、この連続でしかないのであれば、受容や赦しってなんだろう?

まず、父親が私を見抜かずにきた。これからもそうだろう。それでいい一方で、肩を揺さぶりたい激情を彼岸にもつ。

私が愛を知らないように、あなたは私を知らない。