また終わるために

いっしょにすごしたときめき

なんてことはない、忘れられない人

成就しなかった片恋相手は、いつまでたっても恋しいなあ。そういう恋しい人が、もういっぱいいて、溢れているけれども、また増やしましょう、もうひとつ、もうひとつ・・・・・・、と年々増えていく。もしかしたら、生きることは年を取ることを着こなしていくことで、そしてそれは、恋しい人を増やしていくことなのかもしれない。

忘れられない、忘れられない・・・・・・、とグラスに澄んだ水を柔らかく注ぐみたいに、そういう音を立てて、増えていく恋しい人たち。表面張力いっぱいまで膨らんだ、水。だけど溢れそうで、こぼれ切らない気持ち。