また終わるために

いっしょにすごしたときめき

喪うことの始まりだとわかっていても

愛してる誰かを求めることは傷つくことの始まりと知っていようとも、私はなおそれでも愛することをやめない性懲りのない恋愛主体である。 急にもつれあった縁を喪うのは早いだろう。すぐに手に入ったものはなんでも壊れやすく喪いやすい。それを思うと恐ろし…

last paradise

優しい静けさがあって、あなたはそこにいて、私はここにいて、その間の無限は最後の楽園かもしれないと思う。 どうあっても抗えない欲望と、それを手に入れた心地のする優しい静けさ。あなたの優しい静けさの中で、私は生まれ変わる。全てが満たされると同時…

運命を彷徨う

私がだんだん欲張りになっていくのがわかる。相手の欲望が自分の欲望だなんて、嘘だ。私は私で相手の全てを望んでいるのだから。 憂鬱な気分で洋服をみていた。死にそうになりながら、コンビニで愛を探した。何も売られていない、全てがあるのに。私は世界か…

fruits of serendipity~テクストの織りなす音楽とはなにか~

《私にとって、文章をしたためる行為は、天啓のヒラメキというよりはむしろ、罪の延長に近い。しかも、罪滅ぼしにもならない。その先もまた、罪が伸びている。》 ⬆以前、このように述べたが、罪の延長とはなにかというと、これは楽観的であるものの割と真面…

夢の中でも、電話越しでも、

身体中から愛の不足の訴えが込み上げてきて、いわば、ため息をついて、私は夜くんを少なからず憎らしく思った。 夜くんは何をしているのだろう?大丈夫なんだろうか?なんでこんなに心配なんだろう?心配に託けて私は彼の声が聴きたいだけなんだ。 夢の中で…

【論評】amazarashi『さよならごっこ』~また逢う日まで、また逢えない~

さいきん、amazarashi『さよならごっこ』に沼っていて、めちゃくちゃヘヴィロテしている。 この曲を聴いていると、両親が離婚して母親が家から出て行ったことを思い出して、――はっきりいってその記憶は全くないのに、心がひりつくのである。まるで幻肢痛に近…

雲のシグナル

神経症的様相を呈する夕焼けに照らされて、私は雲のシグナルに慄いていた。 もうひとつ増える、強い繋がりと喪失。楔のような最後のキス。そういう思い出の諸々が、私にまた降り積もるのだろうと思った。 私にとって、文章をしたためる行為は、天啓のヒラメ…

夜と、私の名前

夜くん、私に強すぎる不在をもたらして、なにを証明したいの? 私のもとをいなくなる?もう約束も忘れたって? 夏が終わって、私の名前も消えるのか。

夜と、もうひとつの夜

夜 恋愛主体の心に、彼を苦しめたり和らげたりする闇(情動的、知的、実存的な)の暗喩を惹起する心的状態。 ロラン・バルト『恋愛のディスクール·断章』 静になりたいのか、ざわざわしていることがむしろ相手への恋の証左なのか。それによって、私は何を証明…

私の名前

私は君から呼ばれて初めて生きた心地がする。 私にはほんとの名前なんてなくて、それでいいと今も思っているけれど、君はどう?私は何者であればいいと思う? 私は私。君に呼ばれて、私になる。ただ、私。友人、妹、姉、もしかしたらグレートマザー、そして…

君の名前

君の名前は、私が1人きりであることをおぼえた時に私の内側を支配するものだ。 君の名前は、私が呼びかけるごとに広がって捕まえられなくなるものだ。 君の名前、君の名前。君が私を呼ぶとき、はっと息を飲む。無限の彼方からうばわれた気持ちになる。私の名…

愛に平等は存在するか

誰かに恋している人というのは、常に既に相手を待つ待機状態であり、相手を喪い始めている状態であるから、要はマゾヒスティックであると言える。私は来るか分からない相手を「にも関わらず」待ち、想像界の損なわれる事と知りつつも相手に接近したいと願う…

炎の女神

私には火のような確信があって、それはまるで根拠がどこから湧いたのか謎なんだけど、馬鹿みたいに、あるいは、宗教のように、信じていることがある。「私は書けば、小説家になる」ということ。 遠回りには色気がない。でも、それを選んだのなら、そうしない…

ぬるい涙が頬をつたう

夏は暑いんだけど、私はぬるい。覚悟がぬるい。悲しみがぬるい。切なさも、ぬるい。やる気も。なにもかもぬるい。 だから何かがしたいのに、何もしたくないのかもしれない、けど、どうなんだろう、やはり何かがしたいのかもしれない。この判別も、ぬるい。そ…

見つけて探す、これは見つめてるということ

私、結局出会ったその方とどうなりたいのかということばかり考えてしまい、なんてむなしい時間を過ごしているのだろうな。あの人が欲しいのか、あの人の好意にまみれた自分が欲しいのか。 こんなに穏やかでいるのに、あの人の前にいる時私はざわざわする。あ…

あの場所に帰れなくなっても、その2

同じ部屋で2人だったのを、今身をもてあましつつたったひとりで暮らしていて、急に広い、急にひどい。 あのねえ、もともとは元彼の部屋だった場所が今は私の書斎なんですけども、壁にはられていた所だけ日焼けしていなくて、浮いているところがところどころ…

あの場所へ帰れなくなっても

このところ元彼のことをよく考える。振ったのは私だが、思い詰めてしまっているのか、泣き出したくなる気持ちで心が揺らぐ。波立つ。涙の海。平静な水面を思い出が吹き荒れて、しばしさざ波。苦しい。もう二度と会えない人と場所に窓を開けて、未来と明日を…

傾眠

薬の副作用が出て傾眠することがあるが、その時私はよく夢を見る。 最近は、母親に会いたいと願う夢、家族の中で子供の私が助けて欲しくて助けられない夢、また母親の夢……起き上がれなくて魂だけ意識と眠りの世界の浅瀬で迷っているような心地の時、とても悲…

また終わるために

喪う始まりと分かってるのにひとはそれにもかかわらず、誰かを愛するのをやめない。 誰かを求めることはすなわち喪うことの始まりなのである。なのに。 身体が愛が不足しているといってため息をもらす。こんなことばかりの人生で、他者に溢れている。いや、…

私の夜を埋めるもの

本当いうと、この夜の空洞は元彼との思い出で埋めるためのものでないはずなのに、今日はとんでもなくそれらで占められていて、泣き出しそうになっている。 さびしい、彼の幸福が。私とすんなりいかなかった同棲を他の誰かとは上手くしている事実がさびしい。…

私はこのまま錆びてくのか?

今の私はどうやら適応障害らしいとわかった。少し動くだけで、その10倍は休まないといけなくなるし、憂鬱でやる気がおこらないし。 たまらなくつらい。自動思考がつらい。勝手に考えて滑っていくのがつらい。だから、もう考えたくないし、死にたいという気持…

【小説】電話、電話、電話・・・・・・ ②

「この店にお座敷の席があるのは、シーシャの提供もされてるからみたいですね」と千裕さんは言った。ほら、と言って壁の案内書きを指さした。「”フッカー”?」私は目に飛び込んできた文字のまま口にした。千裕さんは「フッカーというのはヒンディー語でシー…

躍起になって

学生時代は、とにかく将来父親にその責任とか過失を認知してもらうために「偉く」なろうと躍起になって勉強していた。そんなのおかしいと気づいたのは、高校生の頃で、どれだけ頑張ろうと、私の家庭環境や家庭の問題は一向に変わらないし、父親の意識を変え…

子供が親の期待に応える時、そこに愛や平和は生じるか

「失望させたくない」 というネガティヴな想いにとらわれていて、親の問題も、家庭の問題も、とにかく私が夢を示していけば何とかなるんかなとほんのり考えてたんですよね。 誰かの期待に私が応える時、そこに愛はあるのか?平和はあるのか?私は満足なのか…

自棄になって無茶をして、行けるところまで

もう習い事の英会話全部辞めちゃいたい。 何もかも棄てて、ゆるされる場所へいきたい。 いま私、自棄をおこしてる。それはわかってる。だけど、もう連綿と続く毎日とか生活とか、人生がなんの実りもなければもう何もいらなくなるよ。求めて手に入らないなら…

looking for the place

私はその場所に行きたい、生きたい、逝きたい。 私はその場所で、目覚めたい、眠りたい。眠る神と目覚めた人間に。 私はずっと見詰めては、さがしている、その場所を。 私には無いものなのかと絶望することが多いけど、完全に希望を損なうこともできず、願い…

Find Love

作家の柳美里が、大検の資格取りたいという趣旨のことを以前言っているのを見つけたのだけど、同時に以下のようなことも言っていたのだった。 「私にとって学校は、自分はできない人間だと思い知る場所だった」 これは、私もそう。鬱で勉強に手をつけなくな…

かわいそうなあのひとを救いたくない

私には母親がいつも罪悪感とみじめさを刺激するほど気の毒な存在だから、もうかわいそうなその人を認めるのはくるしいのである。 これ以上に母親のことをかわいそうだと思いたくないし、かわいそうである証拠をみつけたくもない。美しくてつよいは母親の姿を…

罪と罰

金欠でろくに食事してないからか、栄養不足で鬱がひどく、しかも明日から新しく仕事が始まるという圧もあって、苦しい。落ち込んでいて、居てもたってもいられない。人がおそろしい。今美容室にいるのだけど、こわくてたまらない。 どうしたんだろう。Twitte…

なによりもゆるせないのは

苦しみや悲しみの過剰で私は自分のそういう抱えきれなかった感情を、快楽を手放すことで相殺したつもりでいたのだけども、それは大いに見当違いな方法でとてもとても苦い、不能感と不全感のみ手元に残ったのだった。 裏切られた青春の姿こそ、今の私そのもの…